「アンドレ・ブルトン没後50年記念展」(東京・恵比寿の画廊《LIBRAIRIE6》)で、9月3日より、先行販売していました同記念出版全4冊が、全国に発売開始となりました。(詳細は弊社HP新刊書籍を参照)。購入を希望される場合は、直接、弊社にメール又はお電話ください。
当シリーズの目玉は、2015年4月ガリマール書店刊の本邦初訳版 『あの日々のすべてを想い起こせ──アンドレ・ブルトン最後の夏』 です。これは、アニー・ル・ブランの伴侶であるラドヴァン・イヴシックが、ブルトン晩年の12年間を克明に回想したもので、従来のブルトン観、シュルレアリスム観の変更を余儀なくさせられる、最新の第1級資料です。ラドヴァン・イヴシックが生前に発表できなかった遺稿でもあり、発表するのを逡巡するほどの衝撃的な真実が描かれています。そして、何よりもその内容が美しく、帯のコピーを紹介しておきましょう。
「中世の美しい村、サン=シル=ラポピーの風景、森、石造りの旧家が鮮やかに脳裏に浮かび上がり、ブルトン、イヴシック、トワイヤンという至純の人の、真実の交流が、まるで美しい映画を観るかのように映し出されるのである」。
本書の題扉横に、ブルトンの名言、「シュルレアリスムとは、国家、宗教、家族といった言葉を耳にしたときにバンジャマン・ペレが示す美しい姿勢である」を引用しています。本書にはペレも登場し、その魅力的な人間像も描かれています。
アンドレ・ブルトン、バンジャマン・ペレ、トワイヤン、ラドヴァン・イヴシック、そしてアニー・ル・ブラン──シュルレアリスムの精神を受け継ぐ真実の流れが、本書によって明確化されることでしょう。